イェール大学助教授・経済学者の成田悠輔さんがスタジオ生出演。働き方が多様になっていく時代。日本の賃金や生産性を上げるために何が必要なのか。成田さんは「これまでの慣習にとらわれず、自分が手に入れたいものを積極的に手に入れる」「貪欲になることが大事」と語りました。ちなみに、成田さん自身が生産性を上げるために意識していることは「無駄なことを頼まれたら『いやです』と断り、嫌われに行く」ことだそうです。
■どんなに効率よく働いても、安く売ると生産性は低くなる
国山ハセンキャスター:
OECD経済協力開発機構加盟国、38カ国の労働生産性のランキングです。GDPをもとに算出されたもので、1位アイルランド、2位ルクセンブルク、3位アメリカです。日本は28位で、ポーランドとエストニアの間にあります。ヨーロッパ各国が並んだ下の方に位置しています。
成田さん、日本は長時間労働で働き過ぎというイメージがありますけども、他の国と比べると効率が悪いということでしょうか。
イェール大学助教授・経済学者 成田悠輔氏:
労働生産性が低いというのは、はっきりした事実っていうふうに認められてると思いますね。特にサービス業や第三次産業で労働生産性が低いと言われてるんですよね。医療、教育、介護みたいな領域や、飲食、宿泊、小売。こういうところで特に他の国と比べた場合の生産性の低さが際立っているというふうに考えられていると思いますね。
小川彩佳キャスター:
この生産性の低さの背景には何があるんでしょうか。
成田氏:
もちろん効率が悪いという側面もあるとは思うんですよ。特にデジタル化が必要だとか、働き方改革でダラダラ働くのはやめた方がいいという話もあると思うんです。ただそれと同じぐらい重要だと思うのは、生産性ってどんなに効率よく働いていても、それで作り出したものを安く売ってしまうと、生産性って低くなっちゃうんですよね。例えば日本では美味しい定食が1000円以下で食べられるので、最終的に労働生産性が低くなってしまうという側面があるんです。なので働いてる人たちの働き方の問題と、物の売り方とか値段の付け方みたいなものが組み合わさって、この生産性の低さが出てきてしまっているのかなと。
小川キャスター:
トータルで見なければならない部分も大いにあるという中ではありますけれども、こうした中、生産性向上への意識を高めようという企業もあります。一見非効率とも思えることで生産性を上げようとしているその取り組みを取材しました。
■八丈島で合宿するIT企業「すごくチームが強くなった」
羽田空港から飛行機でおよそ1時間の東京・八丈島。みんなで海を見に行ったり、夜は焚き火を囲んだり…。ただこのグループ、休日を楽しんでいるわけではありません。
会社員
「きょうのスケジュールを確認しましょう」
会社のメンバーで合宿をしながら仕事をしているのです。都内にオフィスを構えるIT企業。普段はリモートワークが中心で、社員が実際に集まる機会はほとんどありません。
そこでやってきた3泊4日の八丈島合宿。
GNUS合宿チーム代表 三浦直也さん
「コミュニケーションの量は、どうしても結構違うなと思っていて、朝から夜まで一緒の時間を過ごすのは、絆づくりみたいな意味がある」
合宿は既に2回目で、社員同士の関係性の強化や経営方針の共有に効果的だといいます。
GNUS 小田原慎さん
「すごくチームが強くなったりとか、ビジネスがすごく進みそうな気は個人的にはしています」
GNUS 湯浅杏理さん
「仕事ではない面も見られるので、よりその人のことを分かり合える」
会議はリモートでもできますが、あえて自然豊かな離島に集まることで、いつもより創造的で深い議論ができるといいます。費用は年間30日の利用で、430万円と決して安いコストではありませんが…
会社としてメリットは大きいですか?
GNUS合宿チーム代表 三浦直也さん
「すごく大きいかなと思っていて、毎日集まれないからこそ、何か月か1回はこうやって顔を合わせて、深い議論をしてみるというのは、今後もやっていきたい」
運営会社は、おしゃれな宿のようなこの施設を、サテライトオフィスと位置づけていて、会社単位で利用することが原則となっています。
アイランド&オフィス 柏木彩代表取締役
「チームで非日常な体験をシェアできるので、そこで何か新しいものが生まれたりとか、人と人との関係性が変わったりとか、より繋がりが強くなって、目標に向かって一緒にやっていける力は大きくなるかなと思います」
■「結論、めちゃめちゃいいです」“リモート雑談”で生産性アップ
今や当たり前となったリモートワークですが、便利になった反面、社員同士のコミュニケーション不足が懸念されています。
そこでリモートでの仕事にあえて雑談を持ち込む企業も…
人材派遣のエン・ジャパンでは、リモート勤務の社員はバーチャルオフィスに出社しています。同僚に近づいて話しかけたりすることもできます。
バーチャルオフィスにいる同僚
「2年ぶりぐらいに行ったら結構新鮮で……(https://newsdig.tbs.co.jp/list/article?id=jnn-20221125-6053976)
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